【マンガ感想】とある作家の頭の中 『ものするひと』

こんにちは、峰晃です。

 

突然ですが、自分は小説を書いています。

 

といっても新人賞に送る等は(いまのところ)していません。

自分の個人サイトにひっそりとupしたり、たまに募集しているオリジナル同人のアンソロジー企画に寄稿する程度のアマチュア作家です。

 

そんな自分が、

 

このひとの頭の中、なんとなくわかるような気がする……

と思ったけど、やっぱりよくわからない……

 

という不思議な感覚に陥ったのがこの『ものするひと』です。

 

今日はこちらの紹介と感想になります!

 

 

あらすじ

雑誌の新人賞の受賞後、アルバイトをしながら

小説を書いている杉浦紺(30)

出版は不況でも、言葉で遊び、

文学を愛する若き純文作家の日常を

のぞいてみませんか?

          ――裏表紙より

 

小説家ってどんなことを考えて小説を書いているんだろう?

 

その一例として、新人の純文学作家、杉浦紺の日常、ひいては思考をたどる物語です。

 

警備員のアルバイトと小説家。二足のわらじの杉浦の周りには様々なバイト仲間、作家仲間などなどの知り合いがいますが、そこは重要ではありません

 

なんでもない日常に感じた言葉。窓に見えた言葉。

あの時言おうとして言えなかった言葉。

何気ないこと。当たり前のこと。

 

それらを文字にしていったら、4000字(原稿用紙10枚分!)を超えてしまう人が、何を考え、日々をどう生きているかを見つめる、そんな話です。

 

想像力を広げる言葉あそび「たほいや」

 

これ見てめっちゃくちゃやりてえ~~~~~~~~!!!!

 

って思ったんですよ。だって楽しそうじゃないですか?

 

たほいやのルール

  1. 親を決める
  2. 親は広辞苑から「その場の誰も知らない言葉」をひとつ決める
  3. 決めた言葉をひらがなで全員に伝える
  4. 親は「言葉の正しい意味を」、子は「言葉のそれらしい嘘の意味」を考え、紙に書く
  5. 親が紙を集め、それぞれ読み上げる
  6. 子が正しい意味だと思ったものに1点入れる
  7. 一番点数を集めた人が次の親

 

ね? 楽しそうでしょ?

 

このゲームの何がおもしろいって、知らなかった言葉を知ることができるというのもそうですし、なにより

 

子が意味を考えた言葉は、正真正銘、自分が意味を生み出した言葉

 

だってことですよ。

 

誰も知らない新しい言葉を生み出すことができるんです。

 

ちょっとわくわくしませんか?

作家・杉浦紺の頭の中

 

杉浦は作中で、アイドルダンスサークルに所属する女子大生のヨサノに

 

「就活とかしなかったんですか、ふつうに」

「税金とか年金とか家賃光熱費払えるかどうかとか

 就活しないって怖くなかったですか」

           ――54~55pより

 

 

と聞かれています。

 

その質問の答えを、ヨサノ自身に伝えることはありませんでしたが、彼は心中でこう話しています。

 

「俺が『誰か』が信じて疑わない茫洋とした『普通』よりもずっと怖かったのは」

「書くのをやめるほう」

「『0を1にすることで触れられる世界』を手放すことのほう」

          62~63pより

 

就職して、働いて、結婚して、子供を育て、老後を迎える。

 

そんな「茫洋とした普通」よりも書くことを選んだ作家。

 

これ、ものすごく共感できるといいますか……。

 

自分が「なぜ小説を書いているのか?」という質問に返す言葉そのままなんですよね。

 

自分は書きたいときに小説を書いていますが、その書きたい時ってつまり、「自分の頭の中にしかない(0の状態)のものを形にしたい(1にする)とき」なんです。

 

誰かと関わりたいから、評価してほしいから、その手段として小説を書いているのではない。(別にそれ自体は悪いことではないですよ、もちろん)

 

小説を書くこと、それそのものが目的なんですね。

 

言葉というものに純粋で、真摯に向き合っている杉浦には、いつまでもそのままでいてほしいです。

 

まとめ

 

『ものするひと』がどんな作品か、少しでも伝われば幸いです。

 

小説書いている人は全員読んでください。書きたい人も読んでください。全人類『ものするひと』をいますぐ読むんだ。

 

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