【マンガ感想】資生堂の女性向けマンガ『ダルちゃん』が最後まで地獄だった

ダルちゃんアイキャッチ マンガ感想

こんにちは、峰晃です。

 

資生堂の花椿で連載されていたガールズショートストーリー漫画、『ダルちゃん』が完結しました。

 

去年の今頃にTwitterなどでちょっと話題になっていたので、自分も9話くらいまでは読んだことがあったのですが、完結を機に全話読み返してみました。

 

そうしたらただでさえ序盤は地獄と言われていたのに、さらに地獄を深めて終わってしまったので感想をつらつらと書いてみます。

 

12月に書籍化するため、11月1日には1~6話を除いてネット掲載を終了するそうです。(※11/5追記 6話までの公開になりました)(※12/8追記 コミック版、1・2巻で発売しています)

 

 

無料になっている6話まではこちらから読むことができます。

 

花椿 HANATSUBAKI | 資生堂
1937年に創刊した資生堂の企業文化誌『花椿』。 Hanatsubaki is a corporate culture magazine issued by Shiseido, which was first published in 1937.

 

前編(1~16話) 「擬態」して生きていくことの地獄

ダルちゃんこと丸山成美は24歳の派遣社員。しかしその正体はダルダル星人だった。

 

ダルダル星人であることがバレないよう、シャワーを浴び、ドライヤーで髪を乾かし、苦手なメイクをして、嫌いなストッキングを履き、ヒールに無理やり足を押し込む。

 

そうして作った「丸山成美」をかぶり、ダルちゃんは日々を過ごす。

 

セクハラをされても、相手が笑っていることがダルちゃんはうれしい。だからそれでいい。

 

「普通」であるように振る舞い、「役割」を果たせば居ることを許される。だから職場が好き

 

もうこれだけで地獄オブ地獄じゃないですか。Hell Heller Hellestの比較最上級Hellestレベル

 

でもこの地獄が蔓延するのがいまの「普通」

 

これに違和感を覚えないのであれば、あなたは地獄に適合した人間なのでしょう。

 

人にはそれぞれ適した環境というものがありますからね。

 

擬態でもなんでもなく、素の自分が「丸山成美のような、人に尽くし、誰にも嫌われないようにふるまう人間」であるならば、それは一種の才能です。誇っていいと思います。

 

しかしそれを強いられ、やらなければ普通ではないと排斥される環境は異常です。

 

そして地獄を当たり前だと感じ、やるべきことだと信じていると、このダルちゃんのようになってしまうんですね。

 

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自分を大事にしてほしいと伝えたサトウさんに対してこれ。地獄はここにある。

中編(17話~31話) ただひとつに依存することの地獄

ダルちゃんを傷つけたスギタは都合よくいなくなり、 ダルちゃんは男性が少し苦手になります。

 

そこにやってきた経理のヒロセ。不器用で生真面目で、片足の不自由な彼にダルちゃんは惹かれていきます。

 

あのね~~~~正直な話、このへんで萎えた

 

この『ダルちゃん』っていうマンガに、自分はマイノリティ(少数派)がマジョリティ(多数派)に迎合して生きることの苦しさみたいな、そういうものを求めてたわけです。

 

実際前半はそんな感じなんで。ダルダル星人を隠して、人間に擬態し続けた結果、みたいな。

 

でもここで急にただの少女漫画になった。

 

クズ男スギタとは正反対の、自分を傷つけなさそうなヒロセに依存していくダルちゃん。

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ハイパー他人任せのこの態度。

 

ダルちゃんが詩を書き始めたあたりはやっと良い方向に話が向くかな~と思ってたんですけどね。そんなに変わりませんでした。

 

ヒロセさんだけいればそれでいいって、陳腐な表現になるけど、恋ではあるけど愛ではないよね

 

楽しそうで幸せそうだけど、それってヒロセっていう存在に依存しきった幸せであって。

 

自分の幸せを全て他人に依存していることには変わらないのに、ダルちゃんの生活が良い方向に進んでる、みたいな描写のされかたをしていたのが地獄だなと思いました。

 

あ、でもここはすごくいいな~と思ったシーン。

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いいな~と思ったのに、その後こういう話はありませんでした

 

ヒロセに惹かれるきっかけのひとつではあるんだろうけど、その後話題にしないならこの話する必要あった?

 

後編(32話~最終話) 思うだけで何も変わらないことの地獄

順調に見えたヒロセとの仲は、ダルちゃんの書いた一篇の詩によって変わり始めます。

 

まあこのへんはぶっちゃけどうでもいいです

 

ちょっと賛否出ている「特定の個人とわかる作品の無断発表」は、詳細な人間関係の描写をしているような小説ならともかく。

 

詩ならかなり曖昧な表現になりますし、ダルちゃんとヒロセ両方を知っているという非常に狭い範囲の中の話になるので、個人の感覚の違いの範囲内かな~と思います。

 

普通はモデルに一言入れるだろうけどね。

 

このあたりで注目すべきはラスト一択

 

ダルちゃんの心持ちは変わりました。職場も変わりました。素の自分を受け入れられるようになってよかったね、と思います。

 

でもこれがもう突き刺さりました。悪い意味で。

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はあああああああああああ~~~~~~~~~???????????????????

 

ここまでのこと全否定かよ????????????????????????

 

繰り返しになりますが、

 

「マイノリティ(少数派)がマジョリティ(多数派)に迎合して生きることの苦しさを描くこと」

 

これをダルちゃんに求めてたわけです。自分は。

 

そう思ってたのに、その主人公に「素の自分を認めてれば周りに合わせて生きてても楽だよ^^」みたいなことを言われたわけです。

 

周囲に合わせるとしんどいっていう話じゃなかったの?という裏切られた気持ちが……こう……。

 

「『ダルちゃん』はそういう話じゃねえよ」というのであればすみません。自分は『ダルちゃん』のターゲットではないということで潔く諦めます。

 

しかし、「周りに合わせるとしんどいよね」っていう問題提起を序盤でしていたはずなのに、

 

周りに合わせても苦しくないよ」って、答えになっていない答えを押しつけられただけで、何も変わってない。

 

これって地獄じゃないですか。解決を先送りにされたままずっとループし続ける感じ。

 

まとめ

むちゃくちゃ言いましたがこの『ダルちゃん』、何がおもしろいって他人の感想を見ることだと思います

 

人によってマジで意見も感想も全然違う。

 

自分はTwitterのフォロワーさんで「『ダルちゃん』一気読みして泣いた」って人がいたのでこの感想を書きました。

 

自分の読了第一声、「は?」だったので。

 

あとは隠れている少数派がいるってことを否定はしてないので、声を上げようという勇気はもらえました。そういう意味では読んでよかったですね。

 

ダルちゃんは10月31日まで、こちらのページで読むことができます。

※11/5追記 現在6話まで読むことができます。12月に書籍化予定

※12/8追記 書籍版発売しました。全2巻。

 

電子書籍版なら、新規登録で50%引きクーポンと1冊分キャッシュバックがつくコミックシーモアがオススメです。

 

それではまた。

 

※1/7 追記

書籍版下巻の帯を店頭で見かけまして。

 

わたしを真に幸福にするのはだれなのだろう

 

この後に及んでまーーーーーーーだ他人任せなんかい!!!!!

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