【マンガ感想】青春の挑戦と、続く苦悩。『青のフラッグ 2巻』

青のフラッグ2表紙 マンガ感想

こんにちは、峰晃です。

じっくりと進みながら、各々の苦悩が露わになっていく『青のフラッグ』2巻の感想です。

徐々にそれぞれの闇の深さがわかっていくあたり、ページをめくる手が止まらなくなる作品ですね……。

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ちっちゃいものふたり、応援団に挑戦

体育祭を控えた太一たち。

クラスで応援団長を決めることになり、人気のある桃真は条件付きでクラスメイトの推薦を受けます。

その条件とは、太一と二葉が副団長になること。

太一はともかく、声も小さく目立つのが苦手な二葉には荷が重いのでは?と本人すらも思う中、桃真だけが「できるよ」ときっぱり言ってのけます。

結局、桃真の希望通り太一と二葉が副団長となり、体育祭に向けて練習が始まります。

このあたりね〜とっても青春してますよね〜!

太一も二葉も、「自分に自信がない」けれど、桃真を応援したいという気持ちは一致していて。

くじけそうな時は励ましあって、太一と二葉は距離を縮めていきます。

すごく素直に刺さるというか、自信のなかった二人が共通の友人である大事な人のために努力するっていう図は、本当に読者からも応援したくなるんですよね。

本番で言葉が出なくなった二葉も、太一のフォローできちんと応援団をやり遂げて、体育祭が終わります。

桃真は進学しないという太一にとって衝撃の事実が明らかになりながら、梅雨、そして夏がやってきます。

萌え袖の学ランを着た太一と二葉はかわいいです。

真澄の苦悩

季節は梅雨。雨の降りしきる中、ちょっと遅いですが、太一は本格的に卒業後の将来について考え始めます。

真澄は獣医、二葉は花関係が学べる大学へ。そして桃真は進学しない。

それぞれが将来を考えているのに、太一には何もない。

桃真に進学しない意図を聞こうにも、やはり聞きづらくて何も言い出せず。

「昔は何でも話してたのにな」というモノローグに、変わっていないようで変わってしまった桃真と太一の関係性が見え隠れしています。

その最中、太一は駅で彼氏と別れて泣いている真澄を発見してしまいます。

このシーン、2巻中の起承転結でいえば転の部分だと思うんですよ。

彼氏と別れた真澄。とても良い人だったけれど、好きになれなくて自分から別れを告げた。

その真澄が太一に問うのは、

  • 「異性に恋をすることとはどんなことか?」
  • 「男女の友情は成立するか?」
  • 「同性同士の恋愛は成立するか?」

ということ。まさに『青のフラッグ』の作品のテーマともいうべきところですが、

太一は鈍い、というより、そもそもそんなことを考えたこともないし、思いもつかないのでしょう。

男女の友人関係にはかろうじて「あるだろ」と返していますが、他には何も言えずにいました。

この「存在していることすら、意識にのぼらない」という事象は、『青のフラッグ』という作品を読むうえで非常に大切なポイントです。

男女がふたり、駅のホームでおしゃべりをしています。声をあげて笑ったり、背中を叩いたり、肘でこづきあったりしていて非常に仲が良さそうです。さて、このふたりは一体どんな関係なのでしょうか?

実際に二人がどんな関係かは、この際どうでもいいです。

この時「仲の良いカップルだな」と思った時点で、「ふたりは気の置けない友人どうしである(恋愛関係ではない)」という可能性の存在を否定しています。

恋愛感情の絡まない男女の友人関係を、意図せず存在しないものとして扱っているのです。

太一も同性同士の恋愛や、異性への恋の感情のことを「そんなこと考えたことがないから」とわからないものと位置付けています。

『青のフラッグ』はその「わからないもの」「とっさに意識にのぼらない関係性」にフォーカスを当てて、この先も進行していきます。

結局、太一には真澄の思いも意図もまったく伝わらないままに、テスト期間と、桃真と野球部の快進撃にかき消されて夏がやってきます。

甲子園への挑戦、そして――

夏休みになり、太一と二葉はせっせと受験勉強をし、桃真は甲子園を目指して野球部の仲間とともにトレーニングの毎日が続きます。

野球部は桃真の力で思いがけず勝ち星を上げて二回戦を突破。本当に甲子園に行けるかも、と皆が期待していました。

二回戦を突破した野球部を皆が学校で称える最中に、太一は道路を渡ろうとする子猫を見つけます。見つけて、しまいます。

なんていうか太一って、「やることが裏目に出るタイプ」といいますか、

本人には悪気も悪意も一切なくて、善意と正義感で動いた結果、悪い方の結果を招いてしまうというか……。

それが悪いとかでなく、やるせないし、それで何もしないように、不幸にしないようにと何にもやらないようになってしまったら、それはそれで本人が不幸になるだけなんですよね。

起きてしまったことは変えられないし、きっと誰もが皆幸せになる道も存在しない。

今度こそ助けられる、と思っていた太一が、現実に直面する瞬間ですね……。

総評

太一、二葉、桃真、真澄の四人が、徐々にそれぞれの関係性を深めていくのが『青のフラッグ』の魅力だと思うんですが、

この四角関係が壊れて欲しくない気持ちもあり、それぞれの想いも成就させてあげたいけど、全員の想いは両立しない……。

もだもだするところに飛び込んでくる一般車両。

作者の手のひらの上でまんまと踊らされていますね。もちろん良い意味で。

太一を庇った桃真は果たして無事なのか−−。

というわけで2巻感想でした。

1巻感想はこちらから。

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それではまた!

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