【アニメ感想】ガイコツ書店員本田さん9話「生と死と再生の書」

本田さん9話感想 アニメ感想

こんにちは、峰晃です。

 

今週もアニメガイコツ書店員本田さんの感想のお時間がやってまいりました。

 

9話はとくに多くの書店員が共感したであろう

 

  • 新刊なのに(売れすぎて)在庫がない!!!!!!
  • 売れてないから返さなきゃ!!!!!

 

という、両極にある本たちのお話です。

 

売れる本と売れない本

世にはどうしても、「売れる本」と「売れない本」が存在します。

 

景気が良い時は娯楽小説が売れる。悪い時は実用書・ビジネス書が売れる。

 

なんてことを書店員時代にどっかで聞きましたが、実際のところ、今の時代は小説ってほとんど売れません。

 

ドラマや映画の原作だったり、テレビで取り上げられた、芸能人が書いた、○○賞を受賞!みたいな感じで、事前評価がないと全然目を向けてもらえないのです。

 

逆にビジネス書や自己啓発本は、スーツを着たお兄さんからおじさんまで、よく売れていました。話題の本からちょっとマニアックなものまで。

 

そんな時代なもので、出版社のほうも小説の初版(最初に刷る部数)は抑えめになっています。

 

ましてや一般小説ならまだしも、ただでさえニッチな需要と言われ続けてきたSFジャンルなら、初版部数はたかがしれています。

 

今話冒頭でどこにも在庫がないと悲鳴をあげられていた『横浜駅SF』は、もともとカクヨムで連載されていたネット小説です。

 

ネットの評判から人気が出て書籍化という昨今ありがちなパターンだったのですが、人気の出方が違いました。

 

『改築工事を続けられてきた横浜駅がついに自己増殖をはじめ、日本を覆い尽くした』

 

という荒唐無稽でありながら、「いつも工事してる横浜駅」というイメージをふくらませた小説、ということで、カクヨム内での人気にとどまらず、ネット上で爆発したのです。

 

急に大勢が売れないアンド売れないのテンプレートにあるSFの娯楽小説を買い求める。加えて重版が遅い角川。

 

あっという間に全国の書店では悲鳴があがることとなりました……というのが、『横浜駅SF』を巡る当時の流れでした。

 

いまは、そもそも根本的な問題として、本は売れません。

 

世の中そのものに余裕がなく、じっくり活字を読むことも、まったく知らない本を手に取ってみる余裕もなくなっているのです。

 

実際、日本人の半分は年間で1冊も本を読まないそうです。

「1冊も本を読まない」…47・5% 文化庁調査で「読書離れくっきり」
今年のノーベル文学賞は村上春樹氏が受賞するかどうか注目されたが、残念ながらまたも受賞はならなかった。「ハルキスト」の加熱ぶりはこの時期の風物詩のようになっている…

 

本好きの自分としては正気か?と感じるデータですが、事実世の中というものはそうなんですね。

 

買う側に余裕がなくなれば、売る方にも余裕はなくなるわけで。出版社はできるだけ損をしないように、刷る部数を抑えます。

 

話題になって売れだしても、その用意がない。だからといって別の新刊の時は部数を多くしても、売れる保証は一切ない。結局、初版部数は抑える。

 

悲しい悪循環が続いてしまうわけですね。

 

紙の本というのは、もうマニア向けの趣味として市場を縮小せざるをえない時代にきているのかもしれないですね。

 

復活する本

新刊が売れたり売れなかったりと厳しい中、復活を求められる本もあります。

 

新装版で出ていても、「過去の装丁でほしい」「規制で収録されなかった話が読みたい」などの理由で過去の本が求められたりもするのです。

 

現状、読者側が復刊を自発的に求められる手段はほぼ1択。

 



 

こちらの復刊ドットコムは復刊リクエストをユーザーから募り、票数が集まったタイトルに関しては実際に復刊し、購入することができるサービスです。

 

当時の出版社が倒産してしまっていたり、専門書のように電子書籍化も難しかったり。

 

自分もこのサービスでめっっっっっっっちゃ好きな作品のコミカライズ(絶版)を入手できて本当にうれしかったです。

 

もう入手できないと思っている本でも、復刊ドットコムでリクエストしてみたら意外と票数が集まって復刊した、なんてことになるかもしれません。

 

今週の元ネタ作品

横浜駅SF

文中の通り、SFというニッチジャンルでありながら人気爆発。売り切れが続出した。現在は落ち着いて横浜駅周辺の書店では山積みにされていたりする。

コミカライズ版もある。

ホット・ゾーン

小説みたいなノンフィクション。エボラウイルスによるパンデミック一歩手前のギリギリを描く。

刊行されたのは20年前なので、医学技術などは古い描写になるが、エボラの恐ろしさを知る作品としてはじゅうぶんである。

 

番外 BAROQUE 欠落のパラダイム



自分が復刊ドットコムで実際に投票リクエストして復刊された作品。

復刊どころか増補新装版という嬉しさ倍増で現れてくれたゲームのコミカライズ。

ちなみに復刊前の旧版も所持はしている。

10話予告

次回10話はA「本屋さんのITSUZAI」B「棚の担当変更」の2本立て。

 

とくに「本屋さんのITSUZAI」は、本田さんによる書店員に向いている人の考察になりますね!

 

本田さん基準に則ると自分はまったく書店員向いてませんでしたが。

 

来週も楽しみですね!

 

それではまた!

8話感想はこちらから。

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